「スピリチュアル」で人生を棒に振る中高年たち、悲劇の実例集3
突然、手をかざしてブツブツと…
会社経営にさえかかわる失敗もある
中高年になれば、家族や仕事など“背負うもの”も大きくなる。そして、スピリチュアルにハマった結果、それを失ってしまった人もいる。
60代に入った会社経営者のSさん(男性)は、長年付き合っていた代理業者との契約を突然打ち切った。それ自体はよくある話だが、打ち切られた側には不思議な“違和感”があった。その打ち切られた代理業者の担当者が言う。
「契約を打ち切るとき、『本当にごめんなさい。あなたたちは何も悪くないんです』としきりに言われました。『お世話になっている方にお願いしなければならず…』と繰り返すのみで、結局なぜ契約を他に変えたのかよくわかりませんでした」
その後、Sさんは代理業者のところをよく訪れた。すでに契約を打ち切っているのにもかかわらず、である。その代理業者に対しては、悪い評価をしているとか、嫌悪しているという雰囲気は見られなかった。
そしてある日、些細な出来事を機に契約打ち切りの“真相”がわかった。
「Sさんがフラッと会社に訪れた日、世間話で『肩こりがどうしようもなくて』と話したんです。すると、『ちょっといい?』と言われて、肩に手を当て、何かブツブツ言ったんですね。しばらくして『これで大丈夫だと思う!』と……。一瞬ワケがわからなかったのですが、その後、周囲の人に話を聞いてピンときました」
どうやら、Sさんはあるオカルト思想にハマり、毎日その集会に通っているようだった。ちょうど1年前に妻が亡くなり、同時期に通い始めた。そして、集会で知り合った人に代理業者を任せることとなった。
「問題はその後です。私たちはSさんの代理業者として長くやっていたので、知り合いのお客様がたくさんいます。そのお客様たちが『新しい代理業者はどうなってるの!?』と怒ってきました。何人も、です。私はもう関われないのですが、相当管理がひどいようで……。結局、Sさんの会社もそこから経営が危うくなっていると聞きます」
何を信じるかは本人の自由だが、こういった例はどう考えても悲惨である。
ダイヤモンド オンライン より転載