「スピリチュアル」で人生を棒に振る中高年たち、悲劇の実例集5

どうすれば依存なく楽しめるか
スピリチュアルは「一見さん」が安全?

スピリチュアルな世界や、それをもとにした助言が、人の気持ちを楽にし、精神的な支えになることはある。ただ、実体のないものだからこそ悪用されることもある。

では、スピリチュアルに悪い形でハマらず、ほどよく付き合うにはどうすべきだろう。「もっとも安全なのは、『一見さん』を超えないことではないでしょうか」と西田氏は言う。

「つねに客観的に自分を見て、適度な距離を保って付き合えればベストです。ただ、そのバランスを自ら保つのはかなり難しいのが現実です。一度依存の方向へ流れ出すと止まれません。ならば、継続的に会うよう仕向けたり、毎回も何かを買わせたりするなど、依存状態を作ろうとする相手は怪しむべきです」

つまり、何度も訪れる関係は極力避けるべきということだ。「足を運べば、それだけ個人情報を得られるので、相手のアドバイスが当たるのは当たり前です」と西田氏は話す。そして、多額のお金を取られたり、家族や会社にまで影響力を及ぼされたりというケースは、何度も会う中で生まれる。

「あわせて、スピリチュアルをまったく信じない知人がいたら、その人を遠ざけないようにしましょう。自分を後ろに引っ張ってくれる存在が最後の砦で、騙すのが目的の人は、まず『信じない人』を周囲から排除させようとします。そういった言動は、明らかに危険なサインでしょう」

本来、スピリチュアルの助言者にとって、相談者の周囲にいる「信じない人」を排除する必要はない。その言動には必ず裏の意図がある。信じない人の話を出したとき、どう反応するか。こういったところも付き合い方の良し悪しを決める分岐点かもしれない。

適切な人と適切な付き合い方をすれば、スピリチュアルはちょっとした精神的な慰安や、日常を楽しむ一つのアクセントになり得るだろう。ただ、信じすぎたときには危険があることも忘れてはならない。そして、その危険は“守るもの”ができ、無事や幸せを願う気持ちから始まるケースがある。だからこそ、中高年がハマっていく。

もし、スピリチュアルと接する際は、そんな視点をどこかに置いておきたい。

 

ダイヤモンド オンライン より転載

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