「スピリチュアルにハマった友人」に悩む、すべての人に言いたいこと 3

2017年に私もハマりかけた

自己啓発もスピリチュアルも、賛否両論ある。友人の中には、Aちゃんのようにハマる人もいれば、そういう話題を耳にしただけで眉をひそめて「うわ~、そういう人いるよね~」「痛い」などと嘲笑ちょうしょうする人もいた。

私はどちらかと言えば不思議な力を信じたり、ゲンを担いだりするほうだ。しいたけ占いは毎週読んでいるし、厄年には厄払いに行く。

また、「引き寄せ」も実践している。叶えたい願いを詳細に思い描いて完了形で手帳に書く、というものだ。Aちゃんとはまた別の友人に勧められ、4年ほど前からやっている。手帳に書くだけだからお金も時間もかからず、リスクもない。なにより、願いが叶ったところを想像するのは楽しい。

そんなふうにコストをかけずノーリスクで楽しむぶんにはいいけれど、セミナーには通いたくないし、高額な開運グッズも買いたくない。私にとってスピリチュアルは、日常を少しだけ彩る嗜好品のようなものでいい。ミーハーに美味しいところだけつまむ程度で満足なのだ。

自己啓発にもスピリチュアルにも「否定的ではないがいまいちハマれない」という中途半端なスタンスの私だが、ハマる人の気持ちもわかる。2017年の春、ハマりかけたことがあるからだ。

当時私は厄介な皮膚疾患にかかり、「原因不明」と皮膚科をたらい回しにされているうちに、精神的にも鬱っぽくなった。無気力になり、何をしても楽しいと思えない。

しかもそんなときに限って、面倒なタイプの人にばかり絡まれていた。

当時私はブログを書いていたのだが(現在は閉鎖している)、ブログのファンを名乗る人たちから怪しげな健康法を勧められたり、「あなたのためを思って」と説教されたりした。相手は善意のつもりなので、無視してもweb上でつきまとってくる。

せめてこの状況を笑い話にしようと、初対面の人に「最近ついてなくて~」と話したら、真顔で「あなたの波動が低いから、波動の低い人を引き寄せるんですよ」と言われた。

皮膚疾患と鬱に悩まされている上、やたらと鬱陶しい人に遭遇する。そんな辛い状態を脱するヒントが得られるんじゃないかと、私は自己啓発系やスピ系のブログや書籍を読み漁るようになった。そして、できそうなことは片っ端から実践した。

 

講談社 ライター 吉玉サキ より転載

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