スピリチュアルに累計1000万円を投じた48歳女性が、その後に得たもの

毒にも薬にもなる占い

Twitterを四六時中見ていると、「コロナの流行を完璧に予見していた」「今後起きる災害が予知できた」といった突拍子のないツイートに出会うことがある。

「今日の都内の感染者数……やはり昨年見えていたマジックナンバーは本物でしたね。」
「今日は民家が倒壊して横になっている夢を見ました。#地震予知 #ヴィジョン」

などというものだ。以前、小さな地震で目が覚めてツイート検索したときに、そうしたオカルト・スピリチュアル的な発信をしているアカウントがかなり多いということに気づいて以来、こういうツイートに出会うと、そこに出てくる「マジックナンバー」「ヴィジョン」のようなワードでさらにツイート検索をしてしまい、無駄に時間が経っていることも少なくない(本当に無駄だ……)。

「東日本大震災は人工地震だった」とか「コロナウイルスには○○が効く」のように、実害のあるデマも含まれており、SNSでは、オカルト・スピリチュアルの類は、危険なフェイクニュースとして検閲されるべきとも言えるだろう。

念のため書いておくが、上記のようなツイートを私はしないし、そうしたアカウントの類をフォローしたりもしていない。ただ、アラサー女性の習いで占いにはハマったことがあり、心を癒してくれる手軽なカウンセラーとしての占い師には、今でもたまにお世話になる。

具体的にいうと、90分3万円なんて占いに行くことがある。

先祖の霊がサトイモを食べろと言っている」なんて託宣を信じているわけではないのだが、90分話をしたり聞いたりする中では心に響いてくる言葉もあり、あやしいサトイモの託宣部分ひっくるめてお金を払ってるわけだから、「お前のハマってるものも一緒でしょ」と断じられても、全然その通りだなあと思う。

いちおう、私の心の中では、占いと、オカルトやスピリチュアルの間には線を引いて、後者が主体の人間やサービスには近づかないようにしているのだが、そうしたものたちに癒されてしまう人がいるというのも、実感としてわかっている。

そもそも「迷信や疑似科学に弱い人をだます詐欺なのではないか……」と思わせられる、オカルト・スピリチュアルの世界だが、この連載の担当編集から「占い・オカルト・スピリチュアルに累計1000万円使っている、元JAXA勤務の女性がいます」という一報が舞い込んだ。そんなことあるの!? と思い、早速取材させてもらうことにした。

 

講談社 ライター ヒラリサ より転載

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