スピリチュアルに累計1000万円を投じた48歳女性が、その後に得たもの Part2
「神宮館高島暦」に興味津々
科学ライターのアキコさん(仮名)は現在48歳。子供の頃から「なんでなんで?」と聞きたがる性分で、親に聞かずにこれを読みなさいと百科事典を与えられ、熟読しながら育ったのだという。
「もともと字が読めるようになるのが早かったので、知識に対して貪欲な子供だったらしく。目に付くものはなんでも読んでいたのですが、きっかけは祖父母の家で見つけたのが『神宮館高島暦』でした。
中国の暦をベースにした高島易学という占いの一種で、人間を生まれた年ごとに9つの『星』に分け、その星ごとに運勢を書いたものです。この日が一粒万倍日だよ、とか、その年の運気の良い日付もわかるようになっています」
うちの祖父母の家にも確かにあった! 文字がびっしりと書いてあって、私はあんまり読めずに挫折してしまった記憶があるが……。なるほど、やはりスピリチュアル・オカルト趣味の入り口は「占い」なんですね。
「知識欲が芽生えたばかりの頃、高島暦を熟読しているうちに、占いやオカルトに興味を持つようになりました。そもそも、年月とか時間って今は生活の前提になってますけど、究極にオカルティックなものだと思いませんか?
占いも時の概念も、もともと政治を司る人たちが、先のことを知ることで不幸を減らそうとしてできたものなんですよ。とても大事なことですよね。科学も、世の中を知ることで不幸を減らす学問とも言えます。ニュートンも錬金術を研究していたし、中世の科学者と言われている人たちにも『賢者の石』なんて探していた人がたくさんいた。
なので私も、『ムー』を創刊時から購読しつつ、世界の宇宙学者や天文学のニュースを追いかけるような、そんな子供でした。ユリ・ゲラーの真似して、家中のスプーンを曲げようとした時もありましたね。フォークにも挑戦したら、いっぱい怪我しました(笑)」
よくよく考えたら、オカルトの総本山として知られる『ムー』も、様々な科学に関わる学習本を出している「学研」から発売されている。客観性と再現性を必須条件とした近代科学の概念が確立したことで、科学とオカルトは明確に分離したが、科学とオカルト双方にひかれるというアキコさんの性分は、理にかなっている気もしてくる。
講談社 ライター ヒラリサより転載