スピリチュアルに累計1000万円を投じた48歳女性が、その後に得たもの Part3

知的好奇心が満たされる

「大ファンだったのが、カール・セーガン。80年代に一世を風靡した天文学者で、NASAの惑星探査を主導していた人です。

あの頃は宇宙開発に関する話題で世間が溢れていましたね。ボイジャー計画だったりハレー彗星だったり。将来の進路も、自然と理系に進みたいと思うようになり、まずはIT系専門職の派遣社員として就職しました」

オカルト・宇宙開発の話題を追いかけている分には、お金はそんなにかからなそうだが、累計1000万円に達するまでには一体何があったのだろう。そう聞くと、アキコさんは「占いとスピリチュアル系の習い事にハマったんです」と教えてくれた。なるほど、習い事!

「私が20代半ばの頃、1990年半ばですかね。まだ、やっとテレホーダイが始まったような時期ですね。バブルはもう弾けていましたが、まだ派遣=専門職というのが一般的で、その給料がとても良くて。自由に使えるお金ができたことで、興味のあることは何でも習いに行くようになりました。

西洋占星術入門から始まって、いくつかのジャンルを教えてもらえる『魔女養成講座』とかにも通うようになりました。

当時はカルチャースクールでもそうした講座がバンバン開いていたし、その講師がビジネス誌に成功者としてインタビューされていたりもしたんですね。サラリーマンの心を癒すヘルシーなものとして、スピリチュアルがポジティブに捉えられていたんです」

なかでもアキコさんが当時一番お金を使ったのは、「カラーセラピー」。色彩を利用した心理療法の一つと言われているセラピーという触れ込みで、層に分かれた2色の液体が入ったボトルを使い、相手が選んだボトルのカラーにより、その人の「魂の色」を見るというメソッドのスピリチュアルだ。

「自分が体験で受けた時のセラピストがあまりにも下手で、これでいいなら私だってできるんじゃない? と思ったんですよ。カラーセラピーを教えているカルチャースクールがあったので、最初は単発講座をいくつか受けたんですが、受け尽くしてやることがなくなっちゃったので、渋谷にある総本山のお店で本格講座に通うことに。

 

講談社 ライター ヒラリサより転載

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