スピリチュアルに累計1000万円を投じた48歳女性が、その後に得たもの Part4
魂が7層構造になってるとか、ボトルのカラーの意味を120種類くらい暗記して、最後にディプロマ(修了証明)を得ると誰かにカウンセリングできますよというシステムで。この本格講座が予備・中級・応用とあって、3〜4日のコースでそれぞれ15万円くらいしたんですね。
そこまでに受けていた単発講座の金額と、道具とかの値段も合わせて、100万円はいったんじゃないかなと。でも大体こんなもんだろうな、と思ってました。当時のいわゆる『癒し系』でいうと、リラクゼーションの方のアロマセラピーの学校は、もっとお金取ってましたから」
何をしても物足りない
元々知識に貪欲だったとはいえ、かなりの入れ込みようだ。このころには、結婚をして新たな生活をしていたというアキコさん。稼ぎがよかったとしても習い事に支払う金額として、100万円の請求は高額ともいえる。躊躇はなかったのだろうか。
「時間とお金はあったけれど、仕事と結婚があまりうまく行ってないという気持ちはありましたねえ。複雑な業務を任されていて、ただでさえプレッシャーが強いのに、上司に毎日100回くらい『死ね』って言われるような環境で(笑)。
結婚のほうも、夫に人の気持ちを考えられない『性格上の難』があるのが一緒に暮らすなかで発覚して。例えば新婚旅行で海外のリゾートに行った時に、ライフルの射撃体験をしたんですけど、冗談めいて銃口を向けられた時には本気で『殺される』と怯えましたもん。毎日ヒリヒリした環境で生きていたからこそ、先行きを自分で知りたいと思っていました」
それは確かに、壮絶な結婚生活だ……。
「よくよく考えたら、スピリチュアルにハマった時期は、私も病んでいたのかなあと思います。どこかで自己承認欲求を満たしたくて、特別な自分になるためにスピリチュアルを学んでいた。どんなに占いやセラピーに行っても物足りなくて、もっと細かく話したいとか、こんなぬるい回答じゃ嫌だとなって。だったら自分で自分を占おうという気持ちもあったかなと。
周囲を見ていても、借金を重ねてスクールに通っているような人は、本当はカウンセリングや病院に行ってケアをされるべきところを、スピリチュアルにつぎ込んでいるっていう方が多いように思います」
大金を注ぎ込んでいた自分を、客観的に振り返るアキコさん。アキコさんの場合は、全てのに納得してお金を払っていたのだろうか?
講談社 ライター ヒラリサより転載