スピリチュアルに累計1000万円を投じた48歳女性が、その後に得たもの Part5
「全然そんなことないですよ!(笑) 払っちゃってからやめたこともあるし、ネットワークビジネスだったこともあるし、納得しないままお金を払う流れになって、慌てて逃げたこととかもありますね。
よく覚えているのが1993年にツボと印鑑を買わされそうになったことですね。新宿西口で若い女の人に『ちょっと占いの練習代になってもらえませんか』と呼び止められたのですが、『自分の手には負えないので、偉い先生のところに一緒に行って欲しい』と言い出して。
見料が1時間1万円だと言うので後日行ってみたら、最低金額40万円の印鑑と、60万円のツボをずらっと見せられて、どれか買えと言われました。何を問いかけられても反論していたら、あちらが面倒臭くなったらしく『もういいから帰ってくれ』と玄関口で塩を撒かれました(笑)」
私を置いて逃げた占い師
実は、2011年3月11日に東日本大震災が起きた瞬間も、アキコさんは占いを受けていた。その際に起きた出来事がきっかけで、自分と占いやスピリチュアルとの間に距離が生まれたという。
「結構高額な、3万円の占いを受けている最中だったんですけど、なんと占い師が客の私を放り出して一人だけで逃げたんですよ。それだけの災害でしたらから慌てるのはわかりますけど、『人としてどうなんだ』と思いましたよね。
それもあって、大きい災害の後とかは、人生に対する無力感や無常感も強くなって、占いやスピリチュアルから離れる傾向にあったかもしれないです」
アキコさんにとって、「納得」の基準はどこにあるのだろうか。
「そうですねえ。相手から教えられる理論に、魅力的なものを感じるかどうかですね。今まで知らなかったことを教えてもらえるのが楽しいので、モノの金銭的価値やご利益には興味がないです。テレビ朝日でやっていた『オーラの泉』が好きだったんですけど、あれはやっぱりオカルトやスピリチュアルが『なぜそうなのか』を問うスタイルだったからですね」
非常にロジカルに思えるアキコさんだが、人生において、探究心と同じくらい重視していることがある。それは「自然にことが決まるか」だ。
講談社 ライター ヒラリサより転載